"あやまち"からはじめませんか?




あれから2週間。

生徒会の仕事は追いつかないくらいにいそがしくなっていった。


「会長、この書類のチェック終わってます?」

「3組が出し物変更を依頼して来てます」


「吉永、予算オーバーの組がいくつかあるけどどうする?」


……マズい。

全然追いつかない。


今回はイレギュラーなことばかり起きていて、その対応に追われていた。


「その案件、一つやります」


宇佐美くんがやってくると、私の仕事の一つを持っていく。


「あ……っ」


彼とはいまだに気まずいままだ。


『俺が欲しいのはあなただけです』


あの時の言葉の意味を聞けないまま

私は宇佐美くんに宣言をされた。


『あなたが僕を頼れるようになるまで、僕は何もしません』


何もしない。

そういいつつも、私に負担がかからない程度には仕事をこなしていく。


ただ、仕事を終えると、彼は私より先に帰っていくようになった。





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