"あやまち"からはじめませんか?



口に出すつもりはなかったのに、とっさに出てしまった。


あわてて口をつぐむと、あれ以来業務連絡しかしてこなかった宇佐美くんが聞いて来た。


「いて欲しいんですか?」

「そ、そんなわけないじゃない!」


とっさに私が言うと、一瞬宇佐美くんがさみしそうな顔をした。


「……そうですか。じゃあ帰ります。

安心してください。ちゃんとやる事はやりますんで」


バカ……そんなこと、分かってる。

一度だって適当に出したことなんてないじゃない。


パタンとむなしく閉まるドア。


私はひとり椅子に座った。


作業をしている間は、シーンと静かな部屋に包まれていて落ち着かない。


今まで宇佐美くんがいたから気づかなかった。


生徒会室って広いんだなあ。

広くて静かで。


「さみしい……」






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