"あやまち"からはじめませんか?



生きているのに、誰も私を見てくれない、消えてるみたいな扱い。


私の居場所。


私を必要としてくれる人ってどこにいるんだろう。


はは……っ。

考えても出てこない。


きっと私が今、この世界から消えたとしても誰も何も変わらない生活を送るんだろうな。



『今日の面談だが、吉永のお家は両親が来られないそうだ』

『そうですか……』


担任の先生にそう言われた時、

自分には気づかないほどに限界が来ていたのだろう。


私はその場で泣きだしてしまった。


『吉永……』


先生はそんな私を見て、どうかしたのか?とたずねると優しく話を聞いてくれた。


『なるほどな……辛かったな』


そして担任の先生はこんなことを言ってくれた。


『じゃあこんなのはどうだ?』


担任の先生が提案してくれたのは生徒会長という役割につく、ということだった。






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