"あやまち"からはじめませんか?




――ズキン。


分かってはいたけれど、言葉にされると辛かった。

ポロポロと涙がこぼれていく。


"誰かのために"と、うたっておきながら

自分のために生徒会活動をして来たんだ。


もう私は生徒会には戻れないかもしれない。


すると宇佐美くんはカバンからあるものを取り出した。


「これを見てください」

「……これ」


それは私が抱えていた仕事の数々だった。


「会長が倒れたって聞いて、みんなが分担してやってくれました。

もちろん看板作りも終わりましたよ」


「えっ」

「みんなあなたに対して愚痴ってましたよ。

どうしてこんな量全部自分でやってしまうんだって、

少しくらいは俺達を頼ってくれてもいいのにってね」


「う、そ……」



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