"あやまち"からはじめませんか?




「それに、必要とされなくなるわけないでしょ?

みんな結衣さん

あなたがいいと思って票を入れたんです。


俺だって、村井さんだって書記の1年生たちも岩田さんも、

みんなあなたを信用して、支えていくって決意してるんです。

それなのに

あなたが頼ってくれなかったら……それはそれでさみしいだろ」


ポロポロとあふれ出る涙。

自分の気持ちを吐きだしたのは初めてだった。


「っ、……」


ぬぐっても、ぬぐっても涙が止まらない。


初めて知った。

みんながこんな風に思ってくれていたなんて。


でも……。


「私は自分のために生徒会を……」


みんなのことをだましていたことになる。


「そんなこと誰も思ってませんよ。

あなたが見せているのは、

みんなのために一生懸命頑張ってる吉永結衣に変わりはないんですから」



< 131 / 276 >

この作品をシェア

pagetop