"あやまち"からはじめませんか?
「宇佐美くん……」
彼の言葉に私の涙は決壊した。
「ごめ、なさ……っ」
ボロボロとこぼれる涙を止められず、みっともないくらいに声を出して泣いた。
受け入れてくれる場所がある。
私が、生徒会長でいなくても。
吉永結衣として生きていても、側にいてくれる人がいるんだ。
「ったく、あんたは下手くそなんですよ、人を頼るのが。
なんのために俺がいると思ってるんですか?」
「……ぅう」
「副会長なんですから、会長の補佐くらいさせてくださいよ」
宇佐美くんはそう言うと私の頭をポンポンと撫でた。
こんなに宇佐美くんにはヒドイことをしたのに、いつだって私をはげましてくれるのは彼だった。
「あり、がと……」
生徒会は私ひとりでやっているんじゃない。
こぼした涙の分、明日は元気に笑えるように。
私は今ある涙をぬぐった。