"あやまち"からはじめませんか?
「…………見たくねぇ」
「おい、なんだよ今の間」
「怪しかったぞ!!」
宇佐美くんは同じ学年のふたりに茶化されていた。
見たくねぇって言われるのもなんだかシャクだけど……。
それを横目で見ながらも、私はパンっと手を叩く。
「はい、遊んでないで準備準備」
3人はしぶしぶ準備へと取りかかった。
看板に内装、衣装も8割が終わっている。
後は前日のジュースやお茶菓子の準備と、チケット作りか……。
「結衣さん」
色々と考えていると、宇佐美くんは私の肩を叩く。
「看板壊した犯人、探らなくていいんですか?」
看板や他のものを壊した人。
出来れば探したい気持ちはある。
でも今は問題を取りただして、みんなの気持ちを下げたくない。
「とりあえず、対策だけして犯人を探すのは文化祭が終わってからにしましょう」