"あやまち"からはじめませんか?



でも着る、しかない……。


しぶしぶ衣装に手を通す。


上のワイシャツはボタンが第2ボタンくらいまで開いているタイプ。

スカートは短すぎるし、とにかく違和感があった。


ス―スーする……。

こんな制服の着方、今までしたことないよ。


「絶対無理」


案の定、鏡に映った自分は違和感ばかりで

いつもたばねている髪を下ろしてみても、やはり違和感はぬぐえなかった。


やっぱり着ない方が……。

そう思っていると、突然生徒会室のドアが開いた。


「きゃっ」

「あ、すみません……」


とっさに体を隠す。

すると、そこに入って来たのは宇佐美くんだった。


「結衣さん……?」


いやだ、恥ずかしい。
見られたくない。


必死にスカートを伸ばすけれど、伸びるはずもなく宇佐美くんは私を見て固まったまま。







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