"あやまち"からはじめませんか?



後ろに下がると、すぐに大きな机があって、もう下がらないんだと気づく。


すると彼は私を囲い込むようにして、そこに両手をついた。


「どうするんです、触られたりしたら」


「さ、触られるって……そんなことされるわけないでしょ」


グイっと彼の肩を押す。

しかし、宇佐美くんはビクともしなかった。


「されるわけない?どうしてそう言い切れるんですか」


こうなってしまったら、宇佐美くんはやっかいだ。


納得するまでどいてくれないだろう。

どうすれば……。


考えていると、宇佐美くんはするり、と私の太ももをなでた。


「ひゃっ、」

「こんなにすぐ触られてしまうのに?」

「や、やめて……!」


太ももをぎゅっと閉じて、宇佐美くんの手を押し返す。


しかし宇佐美くんの行動はエスカレートするばかりだった。




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