"あやまち"からはじめませんか?



「結衣さん!」


その声は聞こえて来た。

ぱっと目をあけて見てみると、そこにいたのは買い物袋を持ったままの宇佐美くんだった。


「宇佐美くん……」

「何だよお前」

「間に合って、良かった……っ」


めずらしく息を切らしている彼。


「全く俺が見てないと無茶ばっかり。これじゃあ心臓が何個あっても足りません」


ため息をつくようにそう言うと、男たちは彼を睨みつけた。


「何ブツブツ言ってんだよ」

「邪魔しに来たってことはどうなるか分かってるよなあ?」


男たちが宇佐美くんの方に向かう。

すると、3人がかりで彼を殴ろうと手を振りかざした。


ウソ……危ない!

そう思った瞬間。


「遅せぇよ」


宇佐美くんはひょいっと彼らを交わすと、相手のお腹に拳を入れる。

もうひとり向かって来ても軽々と交わして相手をたおしていく。









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