"あやまち"からはじめませんか?



会計の後輩にそう言われ、自分の身を見てみると

気づいたら、宇佐美くんに着せられていた上着は着ていなくて……。



「ひゃっ!」


わ、忘れてた……。


「ちょっ、嫌だ!」


ばっと手で自分の身体を隠すけど、全く意味は無かった。

恥ずかしすぎる……。

すると宇佐美くんは彼に向かって言う。


「おい、見るな。目つぶす」

「むちゃ言うなよ……」


私は恥ずかしさでここにいられなくなり、走って生徒会室に戻った。

なにか着るものないかな……。

探していると、コンコンとノックの音が。


「はい」

「結衣さん、入ってもいいですか?」

「うん」


宇佐美くんが生徒会室に入ってくる。


「生徒会喫茶、だいぶ落ち着いたみたいだし……今日は結衣さんもう休んでいいんじゃないですか?」



< 158 / 276 >

この作品をシェア

pagetop