"あやまち"からはじめませんか?


「空き教室行きません?

ここで食べたらうるさそうだし……」


周りを見渡すと、宇佐美くんのクラスの女子たちが誰が一緒に遊ぶかでもめていた。


「決着つかないうちに早く」

「う、うん……」


本当にモテるんだなあ。

っていうか当然だよね。

学校行事の中でも一大イベント。

好きな人と周りたいって思うに決まってる。


宇佐美くんは……そんな相手いないのかな?


空き教室に向かいながら私は彼にたずねた。



「ねぇ、宇佐美くんは今日一緒にまわりたい彼女とかっていないの?」

「いると思うんですか?」

「いてもおかしくはないと、思ってる

でも、もしそうだったら申し訳ないことしたなって……

全然遊びに行く時間を作ってあげられなかったし」


「俺はこうして

あなたとまわれるってだけで、幸せだから大丈夫ですよ」




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