"あやまち"からはじめませんか?
文化祭の頃と比べてはるかに早い解散時間だ。
みんなは「寄り道してかえろ~」なんて言いながら、嬉しそうに生徒会室を出ていった。
「…………」
生徒会室に残ったのは私と、宇佐美くんのふたりだけ。
シーンと部屋が静まりかえる。
彼とふたりきり。
そう考えただけでドキン、ドキンと心臓がはやく動き出す。
落ち着かない。
どうしよう。
私は居ても立っても居られず、立ち上がると宇佐美くんに言った。
「じゃあ私、今日は用事があるから先に……」
「待ってください」
――ダンッ。
突然、彼に私の行く先をふさがれる。
「用事ってなんですか?」
「……えっと、その」
彼の顔が見れなくて視線をそらしながら逃げようとする。
すると宇佐美くんは言った。
「結衣さん、俺が告白してから俺のこと避けてますよね?」
「さ、避けてるわけじゃ……」