"あやまち"からはじめませんか?
見学者を複数人連れ添って、学校を案内してくれる彼女。
ダルいな、と思いながら聞いていたものだったから校舎の作りがどうとかは覚えていない。
見学時間は1時間。
やっと終わるか。
一通り、案内を終えた後外に出てくると彼女は大きな木を指さして言った。
『この木は桜の木です。
大きくなるとキレイな桜が咲きます。
それを見ると、忙しくてもほっとするの……って、こんな話はどうでもいいよね』
顔を赤らめて、うつむく彼女。
かわいい。
……へぇ、こんな表情も見せるのか。
今までキリっとした表情を崩さなかった彼女。
この人のもっといろんな表情を引き出したいと思った。
……って、初対面のヒトに俺は何を思ってんだよ。
さすがにやべぇだろ。