"あやまち"からはじめませんか?
俺は戸惑いを見せる先輩に切なく微笑むと、生徒会室を出ていった。
しばらく歩いて座り込む。
「はぁ、ダセ……」
フラれると分かって、とっさに言ったような言葉だったな。
バレてねぇかな。
焦っていたこと。
冷静さを装って内心はそうじゃない。
立ち上がり、窓から外を見つめる。
大きな桜の木。
寂しそうに立っている。
桜が咲いていない季節は
彼女はどう頑張っていたのだろう——。