"あやまち"からはじめませんか?
不登、校に……っ。
「そこまで考えてなかった?
それとも俺ならいいだろうって思った?」
ぎゅうっと心がしめつけられる。
宇佐美くんなら大丈夫だって勝手に決めつけて
自分が相手を傷つけていい理由を作った。
何が大丈夫?
もし本当に私の行動で彼が学校に来られなくなってしまったら?
彼の心がつぶされてしまったら……?
私はそれを想像して恐ろしくなった。
自分はなんてことをしてしまったんだろう。
自分のことばっかりで、宇佐美くんがどうなるかなんて
想像もしなかった。
力が抜けてぺたん、とその場所に座りこむ。
しかし、彼はそれを許してくれなかった。
「何座ってるんですか?結衣先輩」
冷たいまなざし。
「立って、上手な言い訳してみせて下さいよ」
ぐいっと肩を掴まれて、無理やり立たされる。
「……っ、ごめ」
自分の気持ちでいっぱいいっぱいで、
相手がどうなるかなんて考えもしなかった。
「ごめん、なさい……」
私が言葉に出来たのはたったそれだけだった。