"あやまち"からはじめませんか?
なんというか、仕事もきちんとこなすし私を避けているわけじゃないんだけど……。
本当にただの生徒会長と副会長という関係性になった感じだ。
そう、それでいいんだ。
最初はそれを望んでいたハズだったのに……。
「おお、宇佐美。早く帰るなら飯行こうぜ」
「まぁたまにはいいか」
「よっしゃー!ラーメン行こうぜ」
パタンと閉まる生徒会室のドア。
シーンと静まりかえる教室はなんだか切ない。
なんか私、変だ……。
これが普通なのに。
宇佐美くんが側にいてくれないことに、寂しさを感じてる。
ぎゅっと手を握ると、宇佐美くんのジャケットがソファーにかけてあることに気がついた。
宇佐美くん、忘れてる。
そのジャケットをとると、ふわりと宇佐美くんの匂いがする。
宇佐美くん、本当に私を好きなのかな。
恋愛感情の意味で、好きってことなのかな。