"あやまち"からはじめませんか?
「ない?」
「ああ。その人と一緒にいたいとか、目で追ってしまうとかそういう感覚的なもんなんじゃね?」
一緒にいたい、目で追ってしまう。
『結衣さん』
『俺は誰よりも結衣さんが頑張ってるところを側で見てきたんです』
思い当たるのは宇佐美くんとのことばかり。
ウソウソ。
そんなハズない。
自分の行動を思い出してかあっと顔が赤くなる。
すると、クツを履き終えた岩田くんは、真面目な顔をしてこっちにやってくる。
「宇佐美?」
「えっ!」
「俺が生徒会室入った時、ガッカリした顔したろ?
誰のこと待ってた?」
「が、ガッカリなんて……!」
私は慌てて否定するけれど、岩田くんは足を止めない。
「い、岩田くん?」
ジリジリと近づいてくる岩田くん。
いつもと様子が違くて、私は戸惑った。
「誰かを待ってたわけじゃないなら
俺が奪ってもいいわけだ?」
「な、に?」