"あやまち"からはじめませんか?



翌日。
私は朝早く来て、花壇に水をあげていた。

早くこの花も咲かないかな。


そんなことを考えていると……。


「吉永会長」


私の肩をポンっと叩く人物がいた。


「あっ!」


振り返ると、そこにいたのは赤沢くんであった。


「赤沢くん、おはよう!」


赤沢くんは隣のクラスの男の子だ。

それに同じ時に生徒会長の立候補して、ライバルとして一緒に戦って来た人。


私が生徒会長になることに決まったけれど、彼は私に「おめでとう」と声をかけてくれた。

お互いを高めることが出来た、よきライバルだ。


「今日もお疲れ様、本当にいつも早いんだな」

「今日はたまたま。時間があったから……赤沢くんは?」


「俺はちょっと先生に用事があったんだ」


すると赤沢くんは手の平を広げてみせる。


「いつも仕事で疲れてるだろうし、ここは僕がやっておくよ」

「えっ、でも……」




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