"あやまち"からはじめませんか?
「とり、ひき……」
「ああそうだ。もしキミが僕の言うことを聞くのであればこのことは黙っていよう」
ドクン、ドクンと嫌な音が鳴り響く。
せっかく気づいてきた関係。
みんなで頑張って準備をしてきた。
それが崩されてしまうのは耐えられない……。
私が、我慢をすれば……。
赤沢くんの言うことを聞けば、回避できるの?
呼吸が乱れる。
でも選ぶしかない。
「どうする?吉永結衣さん」
そうやって尋ねられ、私はついに答えてしまった。
「……分かった、言うことを聞きます」
だってこれしかない。
こうしないと、生徒会のメンバーまで悪く言われてしまうから。
「じゃあまずは、生徒会の資料を俺にも見せてくれないか?
それから、今回文化祭の資料は俺がもらうよ」
「えっ」
「キミは提出を忘れたことを演技してもらおう」