"あやまち"からはじめませんか?
赤沢くんの言葉から3日が経った。
彼の言葉が頭から離れず、ずっと上の空のまま。
「結衣さん、聞いてますか?」
宇佐美くんにそう言われ、はっと我に返る。
「ごめんなさい、えっと……」
「来年度の予算の話しです」
「ああ、そうだったわね。来年度は……」
しっかりしなくてはいけないのに、全然集中出来ない。
考えてしまうのは、赤沢くんに言われたことばかり。
生徒会の活動が終わり、私はスマホを取り出した。
赤沢くんに今日の活動の内容を報告しなくてはいけないことになっている。
私はぐっ、と唇を噛みしめると。
「どうしたんですか?そんなに浮かない顔をして」
宇佐美くんが話しかけてきた。
「ううん、別に何もないわ」
「本当に?」
もう一度聞いてくる宇佐美くん。
しかし、私は逃げるように目を背けた。