"あやまち"からはじめませんか?


「帰るね」


教室を出た私。


自宅に帰ると、私は赤沢くんに渡す用の生徒会の資料を作った。

これは生徒会のみんなを裏切る行為だ。

でも、全て自分が撒いた種。

あんなことしなきゃ良かったと、どんなに思っても、戻ることはできない。


ぎゅうっと手を握りしめる。


「ごめん……」


私は小さくそうつぶやいた。


翌日。

朝、私は赤沢くんに呼び出され空き教室に向かった。


「例のものは?」

「これ……」


昨日作ってきた資料を渡す。

赤沢くんはそれを奪い取るように取り上げると、満足そうな顔をした。


「なるほどな。あとは今日キミが資料を作り忘れたフリをしてくれればいい。いいな?」


「はい……」


そう返事をすることしかできなかった。


そして放課後。


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