"あやまち"からはじめませんか?
「今回の議題は、
来年度の予算を仮で組んだデータを見ながら討論をしていけたらと思っています」
宇佐美くんがみんなにそう伝えて、スライドの準備をする。
「結衣さん、お願いします」
みんなが私の方を見る中、私は言った。
「本当にごめん、資料を作るの忘れてて……」
「忘れた?」
静まり返りみんなが私を見る。
「忙しくて、頭から消えてしまって……ごめんなさい」
みんなの前で頭を下げる。
生徒会のメンバーはみんな私をフォローしてくれた。
「会長も忙しかったと思うし」
「忘れちゃったなら仕方ないよ、でもどうする?今日の議題無いよね?」
「えっとそれが……赤沢くんが用意してくれてるって」
私はちらりとドアを見つめると、赤沢くんが生徒会室に入ってきた。
「失礼します」
驚いた顔をする周り。
これも全部、彼の計画通り。