"あやまち"からはじめませんか?


赤沢くんに言われるがまま。

こんなこと絶対におかしいのに。


生徒会中。


「ごめんなさい……今度は意見箱の紙を無くしてしまったの」

「最近会長大丈夫か?」

「少し休んだ方がいいんじゃない?」

「こういうミスは気を付けないと、生徒会の信頼に関わるよ」


「本当にごめんなさい」


そして赤沢くんがまたいいタイミングで生徒会室に入ってくる。


「これが、廊下に落ちていました」

「えっ」


みんなが私のこと、見つめる。

するとそれを見兼ねてか宇佐美くんが言った。


「結衣さん、あなたはしばらくの間生徒会の活動を休んで下さい」

「えっ」

「このままでは生徒会の評判を落し兼ねない」


「そ、それは……」


「また改めて僕の方から連絡します」


こうして私は生徒会室を途中で出されることになった。


正常な判断だ。

宇佐美くんはいつも正しい。

やっぱり、私なんかか生徒会長になるべきではなかった。


このまま、みんなに迷惑をかけるくらいなら……。

私はその足で赤沢くんのところに向かった。


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