"あやまち"からはじめませんか?





「……な、何言ってるの!?

赤沢くんおかしいよ。そんなこと絶対ダメ!」

「キミがよくそんなことを言えるな。

宇佐美を陥れようとした人間が」


「そ、それは……」


「ちょうどいいって思わないか?

あんなことをするくらい憎んでいた宇佐美だ。

どうなってもいいって思っていたんだろう。

俺と手を組もう。そうすれば生徒会の評判も落とさずに水に流してやる。

期待してるよ、結衣会長」


そう言って赤沢くんは教室から去っていった。


ぽたり、と涙が落ちる。


赤沢くんの言う通り、私は生徒会長を勝ち取ったあの日から足は悪に染まっていた。

自分のことばかり考えて、側にいてくれた人のことを陥れようとして、けっきょくこうなって。


自分がしたことが倍以上になって帰って来た。


自業自得だ。




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