"あやまち"からはじめませんか?


「えっ」


どうしてあんなことしたのに、一番私を心配してくれる人が彼なんだろう。

涙が出そうになるのを必死で堪えた。

「もう、行きます」


宇佐美くんはそれだけを残して去っていった。


もう終わりだ。

自分のしたことにケリをつけよう。


こうやって自分がしたことから逃げてばかり。

だからどんどん広がっていってしまうんだ。


宇佐美くんが去っていった後、隠れていた赤沢くんが出てくる。


「おい、どういうことだ!あんなにチャンスがあったのに何もしないで帰すなんて」


「宇佐美くんを傷つけることなんて出来ない」


私が真っ直ぐ伝えた言葉に赤沢くんは言った。


「へぇ、いいんだな。そしたら全員にバラすぞ。お前の信頼も地位も全て無くなって一人になる」

「全部言ってもらって構わない。それくらいのことをしたんだから……」


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