"あやまち"からはじめませんか?



すると、赤沢くんは苛立ったように言った。


「チッ、使えない女だな。こっちに来い」


私の手を強引に引っ張って、空き教室に連れていく。


「ちょ、赤沢くんやめて!」


私は無理矢理、教室に押し込まれた。



「分かった、条件を変えてやるよ」

「えっ」


私が顔を上げた瞬間、赤沢くんはニヤリと笑った。


「僕にキスしろ」

「えっ!」


「お前のこと好きにさせてくれたら今日のことは許してやる」

「ま、待って!私はもう償うって……」

「償う?バカじゃないのか?

今さらバラされたところで誰が許してくれるんだ?

償ったところでお前のことなんてもう誰も見ていないんだよ」


強引に赤沢くんは私の腕を掴む。


そして。


「いや、やめて!!」


じりじりと赤沢くんが近づいてくる。


「ほら、言うこと聞けよ」


やだ。

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