"あやまち"からはじめませんか?


宇佐美くんは遮るように言う。


「僕はそんなこと1ミリも気にしてません。それよりも──」


赤沢くんを鋭く睨みつける宇佐美くん。

その雰囲気が怒っているんだって分かって何も声をかけられない。


「結衣さんを傷つけられたことの方が許せないんですよ」



コツ、コツ、と音を立てて宇佐美くんは赤沢くんを追い詰める。


「僕が知らないと思ったんですか?生徒会選挙の時にあなたがしたことを」

「な、なんの話をして……」


赤沢くんが激しくうろたえる。


「知ってるんですからね。

自分は何もしていないみたいな顔して本当はもっとゲスいことやってたの」


「な、なに言ってるんだよ、俺は別に何も……」

「俺の交友関係ナメないでもらえます?」


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