"あやまち"からはじめませんか?
「あなたがこれ以上を結衣さんを振り回すなら、どうなるか分かりますね?」
黙っている赤沢くん。
自分が不正した証拠を握られている。
しかも不正して尚、生徒会メンバーにはなれなかった。
そのことは絶対に知られたくないことだろう。
「……分かった、もう関わらなければいいんだろう!」
「それだけじゃない」
宇佐美くんはスマホに残っている私と宇佐美くんの録音を赤沢くんに消させると、もう二度と生徒会メンバーに関わらないようにと念を押した。
「持っているのはこれだけじゃないですからね?
ご自身がしたこと覚えているでしょう?」
すると、赤沢くんは青ざめ「絶対にもう関わらない」と言って逃げるように多目的室を出ていった。
バタンとドアが閉まり、私と宇佐美くんのふたりきり。
「宇佐美くん……」
沈黙が流れる。