"あやまち"からはじめませんか?


「ん?」

「嫌だったら全然いいんですけど……もし良かったら今日一緒に夜ごはん食べませんか?」

「えっ」


私は宇佐美くんのその言葉に驚いた。


「だってずっと一人なんでしょう?

俺だったらちょっと寂しいなって思ったから……結衣さんが嫌じゃなければ」


いやなわけない。
だってこの寂しいのがなくなるわけだから。

「いやじゃ、ない……」

1人のご飯ほど寂しいものはない。

誰かと食べられるのなら……。


「食べたい」


小さく答えると、宇佐美くんは優しく笑った。


「じゃあ今から買い出し行きましょ」


嬉しい。

それから私たちは買い出しに行くことになり、近くのスーパーに行くとカレーの材料を買って家に戻ってきた。


「私、自炊はあんまり出来なくて……」

「俺がやるんで結衣さんは座ってていいですよ」

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