"あやまち"からはじめませんか?


こうして元来たクリスマスツリーの前に戻ってきた私たち。

暗い中たくさんの光が放っていて、とてもワクワクした。


「キレイな景色……ずっと見てられるわ」

宇佐美くんは私の横顔を眺めている。


「ちょっ、どこ見て」

「だってあなたもキレイだから」


かあっと熱くなる顔。


「へ、変なこと言わないで」


私は顔を逸らしたけれど、なんだか変な気持ちだ。

周りはカップルだらけの中宇佐美くんと隣で、一緒にイルミネーションを見ているなんて。


静かにライトアップを眺めていた時、私は話を切り出した。


「あのさ、宇佐美くん」

「なんですか?」


「こ、告白の返事……いつまで待たせるんだ、とか思ったりしないの?」


宇佐美くんの真剣な気持ちがようやく分かった私。



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