"あやまち"からはじめませんか?
キラキラと光る中、まっすぐな宇佐美くんの告白。
心はじんとして温かくて時が止まればいいのにって思った。
「行きましょうか」
それから帰り道を歩く私たちはいつもより静かだった。
まるであの心地のいい空間に浸っているかのようで、私の耳元で揺れるイアリングも含めて嬉しい気持ちになる。
もうすぐ私の家についてしまう。
嫌だな、帰りたくないな。
もっと一緒にいたいな。
気づけばそんなことを考えている。
そんあことを心の中で考えているうちに私の家まで着いてしまった。
最後にもう一度、宇佐美くんにお礼を言おうとした時。
家のドアが開いた。
「あら、結衣」
家から出てきたのは私のお母さん。
お母さんは宇佐美くんを見ると、軽く会釈をした。
「あ、お母さん。帰って来てたの?」