"あやまち"からはじめませんか?
彼の温もりと、呼吸が
背中から伝わってきてじわじわ体が熱くなっていく。
「も、もう、早く放して!」
「まだ駄目」
ぎゅうとさらに引き寄せられて、頭がいっぱいいっぱいで
心臓の音が聞こえてしまうんじゃないか、って思ったら
耐えられなくて。
「……っ」
私は背中をまるめて顔を隠した。
「ふふっ、先輩何してるんです?
そんな過剰な反応、俺のこと意識してるみたいに見えますよ」
「ち、違うから……!
嫌だから顔を伏せてるだけだから、勘違いしないで!」
「本当に?じゃあ顔見せてください」
「いや」
かたくなにこばむと、彼は私から腕をはなした。
やっと開放される?
そう思った瞬間。
「ひあ、っ……」
つーと宇佐美くんの指が私の背中をなぞった。
「いい反応」
ぞわぞわと何かがはいあがってくる感覚に
思わず声を出してしまった私。