"あやまち"からはじめませんか?
これは呼びかけをしないとダメそうかも。
「吉永、お疲れ様。来るの早いな」
すると。
同じ学年で隣のクラスの岩田くんが話しかけて来た。
「うん、みんなが来る前に来ておかないとって思ってね」
彼は生徒会の会計のメンバー。
去年は同じクラスだったけど、今年は離れて隣のクラスだ。
数学が得意な彼は私と同じように2年生で会計のメンバーになると、
今年も立候補して2年連続で会計を任されることになった。
忙しい生徒会の活動を積極的に参加してくれて、
同じ学年ということもあってか彼の前だと落ちつける。
「頑張るな~思いつめすぎるなよ」
「ふふっ」
「なんで笑うんだよ」
「だって寝ぐせついてるし」
彼は髪を触ると、焦ったように言った。
「……うわ、ホントだ、朝は苦手なんだよ」