"あやまち"からはじめませんか?



少し顔を赤くして必死にくせをついたところを直す岩田くん。


私はそれを見て、また笑ってしまった。


話しやすく、しっかりしているのに少し抜けたところがある彼は

私がゆいいつ肩を預けられる人だ。


私と岩田くんが話していた時。



「結衣さん、おはようございます」


いつもより低い声で宇佐美くんが挨拶をする。


「ああ、宇佐美くん。おは……」

「岩田さんは体育館裏の掃除に回ってもらっていいですか?ここは人手が多いので」


私の挨拶の返事をさえぎってそんなことを言う彼。


「あ、ああ分かったよ」


そんな彼に岩田くんもとまどいながら、体育館裏へと移動した。


「別にそんなに人手多くなくない?」


ここにいるのは今のところ、私と岩田くんと宇佐美くんだけ。

2人いれば確かに十分ではあると思うけど、宇佐美くんは後から来たのに

どうしたんだろう。



「ここは俺が掃除しようと思ってたんです」


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