"あやまち"からはじめませんか?




『単なる嫉妬です』


集中が続かない。

途中で宇佐美くんの言葉を思い出してしまう。


『あなたが倒れられたら困るからです』


なによ、困るって……。

宇佐美くんの方がよっぽど私を困らせてるじゃない。


でも……。
もし彼が副会長ではなかったら。


私はきっともっとたくさん仕事を背負っていただろう。


彼がいてくれたおかげで助かっていることも多い。



もし宇佐美くんが生徒会長を狙っていなければ

もし私があの時、あんなことをしていなければ……


彼とはいい関係を築けていたかもしれない。


全部自業自得だ。


「吉永、聞いてるか?」

「あっ!すみません……」

「まぁ吉永は学校のために色々やってくれてるからな、少し多めに見るが気を抜かないように」

「はい……」


< 43 / 276 >

この作品をシェア

pagetop