"あやまち"からはじめませんか?
私と宇佐美くんの間には契約があるということ。
「うん、嬉しかった」
「会長の努力が外にも伝わっているんだと思います」
「私だけじゃ、ないけどね」
生徒会は参加といえど、この活動で成績がよくなるわけじゃない。
誰かに何かをもらえるわけじゃない。
それでもみんな学校をキレイにしたいという気持ちで来てくれている。
すごく喜ばしいことだ。
「それで、あの、残ったのって……?」
少し不安を持ちながらも尋ねると、彼は自分の机から書類を出して来た。
「この書類……」
それは宇佐美くんが私から取り上げた書類だった。
「これ、返します」
どさりと置かれた書類。
しかしそれをよく見てみると、白紙だったものが全て埋まっていた。
「ちょっとこれ……」
「やっておきました。
なのでこの分はしっかり休んでください」