"あやまち"からはじめませんか?
名前を呼んで。
「ちゃんと考えて」
じりじりと私を追い詰めて。
「分からないってば!」
それから私を下に落そうとしているの?
考えたくなくて、ドンと彼の肩を押すけれど宇佐美くんはびくともしない。
「う、宇佐美くん?」
その距離がどんどん近くなる。
まるでキスでもしそうな距離だ。
「3」
「ちょっと!」
「2」
「やめてって……!」
「1」
「宇佐美くん!?」
覆い被さってきた宇佐美くんは意地悪に笑って言った。
「タイムアップです」
そして私を抱きしめると、耳元で言った。
「捕まえた」
――ドキン。
彼の温もりが体に伝わる。
心臓がドキドキして壊れそうだ。
なんで、こんなに温かいんだろう。