"あやまち"からはじめませんか?



「一緒にや……」


岩田くんがそこまで言った時。


ーーグイッ。


私は反対側の腕を強引に引っ張られた。


「結衣さん。こっちでやりましょう」

「ちょっと、宇佐美くん……?」


彼の強引さにとまどっていると、岩田くんはため息をつきながらも会計の山城さんを誘った。


「ここ、座ってください」

「岩田くんとやろうと……」


「いいから」


いいからって……。

私の言葉をさえぎってそんなことを言う彼にむっとしつつも、

そんなことしてる場合じゃなくて、先生の説明が始まったので、私たちはそれを真剣に話を聞いていた。


「軽いすり傷程度の人はまずかんぶをキレイに洗って来てから、ガーゼを使うこと。

ガーゼは必ずピンセットで持ってね」


宇佐美くんが最初にじっせんをすることに。

彼は先生の言われた通りにピンセットでガーゼをつかんだ。


「それから少ししめるくらい消毒液をつけて」


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