"あやまち"からはじめませんか?
今日の宇佐美くんはなにか変だ。
「本当に……っ、待って」
彼の手が今度は第3ボタンに移動する。
「言わなくていいんですか?」
耳元で甘い声が流し込まれる。
「んっ……」
くらくらして頭が溶けそうになる。
このままじゃ見えてしまう。
止めないと。
「好きって言って」
宇佐美くんがそううながした時。
私はとっさに言った。
「……す、好き!好きだから……これでいいでしょ?」
はあ、はあっと息を切らしながらも、やっとの思いで言うと
彼の手はぴたりと止まる。
やっと、止まった……?
おそるおそる宇佐美くんを見上げたら。
「っはは、あんまり嬉しくないですね」
彼は切ない顔をしていた。