"あやまち"からはじめませんか?
接戦だ。
勝負はヒートアップしたためか、お互いに息を切らしていた。
「はぁ……はあ。意外とやるじゃないですか、先輩」
「生意気な後輩なんかに負けてらんねぇだろ?」
ふっとお互いに笑い合う。
ふたりとも、仲が悪いのかなって思っていたけど意外とそうじゃないのかも……?
ボールを持ったのは宇佐美くん。
岩田くんをフェイクで交わそうとするけれど、行動を読んだ岩田くんはだまされることなくついていく。
「はぁ……はあ」
宇佐美くんがこんなに汗かいて必死になってる姿を見るのは初めてかもしれない。
いつもすずしい顔して、なんでもこなしてしまうイメージがあったから。
すごく新鮮だ。
彼にも後輩らしいところがあるんだな……。
感心しながらみていると、なんとか岩田くんをふりきった宇佐美くんはシュートを放つ。
「……っ、」