世界で一番可哀想な男のお話

制定

言葉を最後まで聞かずに帰った王は
すぐに城の大臣たちを集めて特例を設ける事を命令した。
訳も誰にも教えなかった。
そんな王に初めて大臣たちは反発をしたが、
王の圧倒的な権力と、真剣さに負け、
特例を設けることを受理した。
大臣たちが受理するまでには一年と少しかかった。
が、王にとっては好都合で、
その間ニルにもっと詳しく作法や言葉遣い、立ち振る舞いを教えこんだ。
普通なら何年もかけて習得するような内容であったが彼は
一年と少しの間に全てを習得する事ができた。
これも彼に感情がないせいなのか、
王はとても感心しながらも、
恐怖と焦りを感じていた。
そして、ようやく特例が制定され、
11歳の彼との結婚を許し、彼の妃になりたい女性を募集した。
街中に張り紙が貼られた。