死席簿〜返事をしなければ即、死亡
「生贄⁉︎」
生徒たちの顔色が変わる。
僕の一言で、絶望に落とすことも希望を与えることもできるわけだ。生徒たちの命を預かっているのは、教師であるこの僕。
それは、生徒と教師の絶対的な立場の証。
生徒は、決して教師に逆らってはいけない。
なにがあっても絶対に、だ。
「そうだ。全員で相談して【生贄】を1人決める。そうすれば、残りのものは助けてやろう」
「えっ、あたしら助けてくれるの⁉︎」
そう言って驚くのは、篠塚有里華だ。
小汚いメイクをした、知性の欠片もないギャル。
「あぁ、助けてやろう」
「マジで⁉︎」
「あぁ、先生に二言はない」
「やった。こっから出られるって!」
仲の良い矢井田ミキと、手を叩いて喜んでいる。
全く、馬鹿なやつだ。
お前が生贄にならない保証がどこにある?
4限目の目的は一つ。
生贄なんてどうでもいい。
どのみち、全員を殺すつもりだ。
目的を遂行するために、この授業をあてる。この1限で、生徒たちの反抗心を完膚なきまでに叩き潰す。それにはまず崩しておかないといけない。
こいつらの【リーダー】を。