死席簿〜返事をしなければ即、死亡


全員の視線が小金沢に集まる。


「生贄には悪いが、それで残りのやつらが助かるなら選ぶべきだろう?」


「俺たちの犠牲になれっていうのか?」


「全員が死ぬよりはいい。それにそもそも、俺は死にたくない」


はっきりと答える小金沢に、何人かの生徒が頷いている。


「生贄は死んでもいいっていうのか⁉︎」


楠木が勢いよく立ち上がり、小金沢を睨みつける。


どちらかというと、これまで2人は協力してきた。


仲が良いのかは分からないが、リーダー格であることには違いない。


ただ、タイプが違う。


楠木は周りのことを優先して考える、ある意味、優しさがあった。その優しさが自らの首を絞めることにもなるが。


一方、小金沢が優先するのは自分だ。自分勝手ではないが、周りと協調することはない。


2人が力を合わせたのなら手強い恐れもある。


でも反対に、2人が対立するのなら?


僕の狙いは、まさにそれだ。


「生贄に選ばれたやつは、運が悪かったと思うしかない」


「それは間違ってる!」


「じゃ、全員で仲良く死ぬっていうのか?」


「なにか他に手があるはずだ」


「あるなら教えてくれ」


「それは__」


「ないなら仕方ない。この中から1人、生贄を選ぶ」


「勝手に決めるな」


楠木が、小金沢に詰め寄った。



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