死席簿〜返事をしなければ即、死亡


ふと、人の気配を感じた。


そうだ、休みだからって誰も居ないのは不自然じゃないか?


1人くらい他の先生が居たって不思議じゃない。


職員室からだと、教室の騒ぎも聞こえないし。


私はそーっと、職員室の扉を開いた。


「先生⁉︎」


思わず声が出る。


見知った先生たちが、それぞれの席に座っているではないか。職員会議でもしているようで、やっぱり騒動に気づいていなかっただけなんだ‼︎


「先生、助けて下さい‼︎今井先生が私たちを殺そうとして__?」


隣のクラスの担任に声をかける。


これだけの数の先生がいれば、放送室に行く必要もない。今すぐにみんなを助けに行ける_は、ず?


だが、誰もが無反応だった。


「先生?」と、肩に手を置くと、体ごと椅子からずり落ちたんだ。


「__うそ」


思わず両手で口をおさえ、後ずさる。


みんな、死んでる?


この先生もあの先生も、教頭先生も校長先生も死んでる。


誰もが、この世の終わりのように苦しげだった。


みんな、呼ばれたんだ。


名前を呼ばれて、返事をしなかった。


全員が、先生に殺された。


1人残らず、殺されたんだ。


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