死席簿〜返事をしなければ即、死亡
安達みつるに続いて、鮎川沙奈江も死んだ。
2人とも死因は同じ、心臓発作だった。
立て続けに起こった生徒の【死】に、学校中が騒然となるのも無理はない。そして【戦犯】を用意するのも__。
「あ、あっ、あんたが殺したのよ!2人続けて、どうして、どうしてうちの沙奈江ちゃんが死ななきゃいけないのよ!あんたのせいよ!」
鮎川の母親に、いきなり平手打ちを食らった。
我が子を急に失った親の悲しみは、計り知れない。何発も何発も殴りかかってくる母親を、誰も止めない。
「あんた担任でしょ!担任のくせして、見殺しにしたの?謝りなさいよ。謝れ。謝れ謝れ謝れ謝れ謝れ謝れ謝れ謝れ謝れ謝れ謝れ謝れぇえええ!」
鬼の形相で詰め寄ってくる母親を前に、僕は膝をついた。
あれだけ謝罪するなと釘を刺した校長も、生贄を突き出すように押し黙っている。
両手をついて、頭を下げた。
「私がついていながら、すみませんでした」と。
生徒たちが見ている前で、僕は土下座をした。
その頭を母親に踏みつけられても、謝り続ける。
生徒たち責められ、学校は守ってはくれず、保護者から糾弾にあう。
逃げ道なんてものは、どこにもなかった。
僕は【教師失格】なんだ。