死席簿〜返事をしなければ即、死亡
【人殺し】
教室に入ると、黒板にそう書かれていた。
【人殺し人殺し人殺し人殺し人殺し人殺し人殺し人殺し人殺し人殺し人殺し人殺し人殺し人殺し人殺し人殺し人殺し人殺し人殺し人殺し人殺し人殺し人殺し人殺し人殺し人殺し人殺し人殺し】
細かい文字でびっしりと書かれている。
僕は、無言で文字を消していく。
自分の心が、消えていくようだ。
「みんな、おはよう」
振り向いて声を掛けたが、誰も答えない。
それもそうか。
名前を呼んでも、誰も返事さえしないのだから。
僕が、そんなに悪いのだろうか?
僕は僕なりに一生懸命やってきたつもりだ。崩壊した学級を立て直そうと、死に物狂いで取り組んできたつもりだった。
でも__手に負えない。
それはきっと、僕だからじゃない。
誰が担任になっても同じことじゃないか?
それほど、この3年1組はひどかった。
ここにきて生徒が2人、突然死をし、その責任の全てを学校も生徒も保護者も世間も、僕に背負わそうとしている。
そんなに、僕が悪いのだろうか__?
「死ねよ」
誰かが言った。
閃いたとでも言わんばかりに【死ね】が感染していく__。