死席簿〜返事をしなければ即、死亡
「楠木、嫌われたみたいだな?」
「黙れ」
「どうやら楠木が死ぬのか?男が女を守るのは当然だからな、その心意気は褒めてやろう」
「お前は、なにも分かっちゃいないな。お前は、俺たち生徒のことなんて、なにも分かっちゃいない。その時点で、教師失格なんだ」
「なんだと?」
今井の表情が険しくなる。
「俺は死ぬ。でもそれで終わりだ。生き残るのは洋子だ。でも__生き残ったほうが辛いなんてこと、お前は想像もつかないだろう。ろくに人を好きになったこともない奴には、なにを言っても分からない」
「それが先生に対する口の__」
「はぁー⁉︎」
馬鹿でかい声で遮ってやる。
「お前、まだ自分が教師だとでも思ってるのか?お前のことをセンコーだと思ったことなんて一度もない!俺たち生徒に舐められた出来損ないが!」
俺の罵声に、今井の中で怒りが弾けた。
名前を呼ばれる。
そして俺は、死ぬ。
「___楠木、俺はお前の名前は呼ばない」
「えっ__?」
「俺を挑発して名前を呼ばそうって魂胆だろう?俺はお前の名前も、片平の名前も呼ばない。2人で争って、どちらか一方が死ぬんだな」
「__断ったら?」
「その時は」
今井が腕に力を入れる。
「知念が死ぬことになる」