懲らしめて差し上げますっ!~じゃじゃ馬王女の下克上日記~
「なっ……!?」
これには王太子も驚き、気分を害した様子である。
険しい顔でテーブルを叩いて立ち上がると、ただちに妹に反論した。
「俺様だって仕事しているぞ! 新年の祝賀行事の壇上で、民衆に向けて挨拶しただろう。近侍が書いた文章を読み上げただけだがな。昨日は書類五枚にサインもした。まだ目を通していないから、なにが書かれていたのか知らないけどな」
自身の微々たる働きっぷりを恥じることなく主張した王太子は、わかったか!と言いたげにフンと鼻を鳴らし、今度はラナを叱る。
「妹の分際で無礼だぞ! 父上に次いで偉い俺様が、家臣に謀反を起こされるはずがないだろう。ちょっと遠出の視察に出向いただけで、威張るんじゃない。もっと兄を慕い、敬いたまえ!」
まばらな拍手が湧いたということは、王太子自らが無能っぷりを披露しても、まだ支持する貴族がいるということだ。
もっと罵ってやりたい気分ではあるが、ここで兄妹喧嘩すれば自分の価値を下げるだけだと、ラナは知っている。
それで、「お兄様、失礼いたしました」と形ばかりに謝罪した。
これには王太子も驚き、気分を害した様子である。
険しい顔でテーブルを叩いて立ち上がると、ただちに妹に反論した。
「俺様だって仕事しているぞ! 新年の祝賀行事の壇上で、民衆に向けて挨拶しただろう。近侍が書いた文章を読み上げただけだがな。昨日は書類五枚にサインもした。まだ目を通していないから、なにが書かれていたのか知らないけどな」
自身の微々たる働きっぷりを恥じることなく主張した王太子は、わかったか!と言いたげにフンと鼻を鳴らし、今度はラナを叱る。
「妹の分際で無礼だぞ! 父上に次いで偉い俺様が、家臣に謀反を起こされるはずがないだろう。ちょっと遠出の視察に出向いただけで、威張るんじゃない。もっと兄を慕い、敬いたまえ!」
まばらな拍手が湧いたということは、王太子自らが無能っぷりを披露しても、まだ支持する貴族がいるということだ。
もっと罵ってやりたい気分ではあるが、ここで兄妹喧嘩すれば自分の価値を下げるだけだと、ラナは知っている。
それで、「お兄様、失礼いたしました」と形ばかりに謝罪した。