懲らしめて差し上げますっ!~じゃじゃ馬王女の下克上日記~
本物に勝るものなし
◇◇◇
ラナが国王に直談判した日から三日後、わずかな共を連れた彼女は早くも旅路を歩いていた。
王都を出たのが二時間ほど前であり、見送りがひとりもいない中での出発であった。
なぜかと言えば、庶民のふりをしなければならないからである。
国王から課せられたミッションは、悪い噂のある三つの貴族領をお忍びで調査し、できれば問題を解決してこいというものだ。
王女の視察御一行様として、派手に旅をするわけにはいかないのである。
周囲に広がるのは、腰ほどの高さに成長した青々とした小麦畑と防風林。
晴れ渡る空の下、遠くにピリノア山脈をはっきりと臨むことができる。
この辺りはまだ王家の直轄領であり、見知った景色の中を、ラナは笑顔で歩いていた。
その格好は簡素な旅人風で、茶色のショートブーツに木綿の白いワンピース。
ミントグリーンのウエストを絞ったベストは、胸の前が編み上げのリボンで結ばれている。
長い髪はひとつに結わえて生成りの頭巾を被り、薄地のフード付きマントを羽織っていた。
ラナが国王に直談判した日から三日後、わずかな共を連れた彼女は早くも旅路を歩いていた。
王都を出たのが二時間ほど前であり、見送りがひとりもいない中での出発であった。
なぜかと言えば、庶民のふりをしなければならないからである。
国王から課せられたミッションは、悪い噂のある三つの貴族領をお忍びで調査し、できれば問題を解決してこいというものだ。
王女の視察御一行様として、派手に旅をするわけにはいかないのである。
周囲に広がるのは、腰ほどの高さに成長した青々とした小麦畑と防風林。
晴れ渡る空の下、遠くにピリノア山脈をはっきりと臨むことができる。
この辺りはまだ王家の直轄領であり、見知った景色の中を、ラナは笑顔で歩いていた。
その格好は簡素な旅人風で、茶色のショートブーツに木綿の白いワンピース。
ミントグリーンのウエストを絞ったベストは、胸の前が編み上げのリボンで結ばれている。
長い髪はひとつに結わえて生成りの頭巾を被り、薄地のフード付きマントを羽織っていた。